社会保険労務士の和田です。
さわやかな月曜日、今週も頑張っていきましょう!
さて、土曜日と日曜日、大阪で研修を受けてきました。
(大阪城近くの会場でしたよ。)
テーマは 『セクハラ・パワハラの防止』 に関するもの。
実務上、相談を受けることはあっても、なかなか掘り下げて研究しないテーマではないでしょうか。
とはいえ、平成24年度の個別労働紛争相談件数は、 『いじめ・嫌がらせ』 が 『解雇』 を抜きトップに。
今後も増加傾向にあります。
研修は、法解釈から実務対応、判例、カウンセリングまで幅広い内容で、かなり濃密な二日間でした。
ところで、皆さまの会社ではセクハラ・パワハラ対策は進んでいるでしょうか?
セクハラに関しては、だいぶ 『許すまじ!』 という風潮が広がってきたように思いますが、
パワハラに関しては、まだまだ 『?』 という会社が多いかもしれませんね。
ここでパワハラ事案をひとつ。
ミスをした部下に対する上司の 『馬鹿野郎』 『給料泥棒』 『責任を取れ』 といった発言。
こういった発言がパワハラに該当するとした裁判例もあります。
(もちろん、この発言以外の事情等に関しても、細かく検討したうえでの判断ですが ・・・)
会社の顧問として指導・助言を行う社会保険労務士が、セクハラ・パワハラ対策を考えるときには、
まずは 『セクハラ・パワハラによって会社に発生しうる損害』 を考えなければならないと思います。
ひとつは、金銭的損害。
セクハラ・パワハラが認められ、会社の責任が問われた場合の慰謝料として何百万円。
被害者が退職等していた場合には、何ヶ月か分の賃金相当額を支払うケースもあります。
つぎに、風評被害。
セクハラ・パワハラが新聞等で報道された場合、会社に与える損害は計り知れません。
業種によっては、会社の存続が危ぶまれるケースもあるでしょう。
そして、一番問題となるのが従業員のモチベーションの低下。
セクハラ・パワハラが日常化している職場で、従業員が100%やる気を出して働くでしょうか?
パワハラを恐れて一時的に売上が上がったとしても、そんな職場でずっと働こうという人は少ないはずです。
すぐに辞めてしまい、人材が育たず、結局は売上が上がらないという結果に陥ってしまいます。
『うちの会社は大丈夫。そんな問題は何も起こってないし。』 と考えている社長さんも多いと思いますが、
ぜひ一度、従業員の意識調査を行ってみることをお勧めします。
思いもよらなかったことを、従業員がセクハラ・パワハラと感じている実態が浮かび上がってきます。
セクハラ・パワハラは 『個人』 ではなく 『組織』 の問題です。
従業員がやる気を持って活き活きと働き、その結果として売上が上がる。
そんな職場環境を作り上げていくためにも、会社としてこの問題に取り組んでいただきたいと思います。
自分も社労士としてそのお手伝いをしていきたい、と感じた研修でした。