社会保険労務士の和田です。
今日の福岡は雨まじりのどんよりとした天気。
そんな中、雨ニモ負ケズ、セミナーに出席してきたので、そこでの話題をひとつ。
皆さんの中で、お給料として 『家族手当』 をもらっている方はいらっしゃいますか?
その名のとおり、扶養している配偶者や子供などがいる場合に支給される手当のことです。
日本の会社では、家族手当を支給している会社はけっこう多いのではないかと思います。
では、年齢 ・勤務歴 ・仕事内容 ・経験 ・資格 ・成績など、すべて同じAさんとBさんがいたとします。
違うのは、Aさんは若くして結婚し子供もいて幸せな家庭を築いていますが、
Bさんは出会いに恵まれず、いまだ独身だということ。悲しい限りです。
このような2人がいた場合、Aさんにのみ家族手当が支給されるのは公平と言えるでしょうか?
本来、給与額は労働者個人の仕事内容や責任の重さ、成績等により決定されるべきものです。
その労働者に扶養家族がいるかどうかで決定されるべきものではありません。
また、会社は労働者との間に 「労働契約」 を結んでおり、労働の対価として賃金を支払いますが、
労働者の扶養家族に対して賃金を支払うという契約を結んでいるわけではありません。
では、このような場合、どのような取り扱いが一番適切なのでしょうか?
もちろん答えはありません。
会社の方針(=経営者の判断)によって決定されることになります。
「うちは能力主義だ!労働者個人の能力や成績で給与額を決める!」という会社であれば、
家族手当は支給しない、または支給額を減らすということになるでしょう。
家族手当に使っていた分の資金を、より成果をあげた労働者に回すことになります。
「扶養家族がいる労働者をサポートしたい。労働者も安心して働けるだろう」という会社であれば、
家族手当を支給するということになるでしょう。
この場合は、家族手当という形で毎月支給するのか、それとも一時金という形で支給するのか、
より効果的な支給の仕方を検討する必要があると思います。
給与や賞与、退職金といったお金に関する制度は、一度決めてしまうと変更するのが難しいためか、
何十年も前に作られたものをそのまま使用している、というケースが多く見受けられます。
その場合、会社の方針にあわない形で給料が支払われてしまっているおそれがあります。
ぜひ一度、会社の給与制度について、ご検討いただきたいと思います。